日本初のデニム女性営業マネージャーが世界のラグジャリー市場に入って20年、300ブランド以上のデザイナーさんのリクエストを聞いてきました。

●日本初のデニム女性営業マネージャーがやって来たこと 
事務職として入社した武智チーフは、今や当社と海外ブランドのデザイナーとのコミュニケーションで欠かせない存在です。30年前から社長の方針でデニムの一貫生産体制の確立に舵を切りましたが、自社内で受け持つ工程が大幅に増えました。デザイナーのリクエストに応える為には、工場内の多くの職人達を一つの目標に向かって纏めるなければなりません。今も、毎朝最低1時間は工場に入って現場で職人との対話を欠かしません。この双方向、アナログで細かなコミュニケーションが当社のモノツクリを支えています。 
 
 
●開発ストーリー 
30年前、最盛期に300社あった機屋は安価な輸入品の増大で十分の一に減ってしまっていた。 
機屋として残って行くための方法を模索せざるを得なかった。 
そこで、自社企画の商品を展開する機屋からテキスタイルメーカーへの脱皮だった。 
但し、これはそう簡単な事ではない。工程を増やすと同時にそれを扱える職人の育成が必要となる。 
工程と設備を増やす中で、その工程を担当する職人の育成に苦労を重ねた。 
それを強力にサポートしてくれたのが、備後絣の伝統技法を引き継ぐ地元の元職人達だった。 
産地の先輩方の協力で一貫体制を築き上げる事が出来たとも言える。 
そして、その職人達をつなぐコミュニケーションがいつの間にか社内で出来てきた。 
このアナログ・コミュニケーションのネットワークが世界のラグジャリー市場から支持される様になった一因。 
その後、デニム作りを志す若者も増えて来て、社内では世代交代も順調に進んでいる。 
若き職人達は世界を魅了する日本のデニムを作っている事に誇りと共に、今日も黙々と作業に励む。 
 
武智チーフは、お客様の声を形にする為に、お手製の工程進捗表を手に、職人達との対話を楽しんでいる。